まさに“新時代のコンパス”。『世界を変えるSHIEN学』で、たすけあって困難を突破していく原理を学ぼう

まさに“新時代のコンパス”。『世界を変えるSHIEN学』で、たすけあって困難を突破していく原理を学ぼう

読んでよかった本

よりよい世界を、僕らの手で創るために。

こんにちは!『今日も信仰は続く』を見ていただいてありがとうございます。桑原信司(@shin0329)です。

信ちゃん
信ちゃん

気軽に信ちゃん、って覚えてくれたら嬉しいな~!

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僕が大切にしていることの1つに「仲良くたすけあう社会・地域づくりに貢献する」ことを掲げているのですが、今日はそんな活動に活かせる『世界を変えるSHIEN学~力を引き出し合う働き方~』という本をご紹介します!

本書は今、多くの企業から注目を集めている新時代の働き方メソッド「SHIEN学(しえんがく、と読みます)」ついてまとめられた本なのですが、ここには「互いにたすけあって生きていく」ためのエッセンスが、ギュッと詰め込まれているんですよね。

ぜひ多くの人に読まれてほしい1冊。なので、今日はこの本を愛読し、去年SHIEN学のワークショップも体験してきた僕が、ポイントを絞ってわかりやすく解説していきたいと思います。

それではいきましょう!

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『世界を変えるSHIEN学~力を引き出しあう働き方~』

というわけで、こちらが今回ご紹介する『世界を変えるSHIEN学~力を引き出しあう働き方~』です。

著者はSHIEN学の提唱者でもある舘岡康雄(たておか やすお)先生。現在は静岡大学大学院教授を務めながら、SHIEN学会の会長として講演活動などで全国を飛び回っておられます。

そんな舘岡先生ですが、もともとは日産自動車のエンジニアだったそうです。

日産自動車の「奇跡の復活」から生まれた SHIEN学

日産自動車といえば、トヨタやホンダと肩を並べる、国内屈指の人気自動車メーカー。矢沢永吉さんが出演したCMは、大きなインパクトを残しましたよね。

しかし、1990年代の日産自動車は、莫大な借金を抱えた倒産寸前の会社だったことはご存知でしたか?

ちなみにどれくらい莫大だったかというと…なんとその額は1兆円以上!毎日きっちり100万円返しても、返済完了まで5,000年かかるほどの負債だったそうです(絶望)

そこで著者の舘岡先生は、この倒産寸前の日産自動車を立て直すべく、「互いにたすけあって力を引き出し合う」チームワークづくりに力を注ぎました。

するとこれが功を奏し、なんと業績は大改善!なんとあの国家予算レベルの借金を、たったの「4年」で返済してみせたんです。しかも、借金をつくった人間とほぼ同じメンバーで、です。

舘岡先生はこの経験を通して、世界を変えてしまうほどの不思議な力をもつ「SHIENの原理」に気づき、これを研究しました。そして生まれたのが、21世紀の価値観にフィットした新しい人間関係の学問「SHIEN学」というわけです。

本書から学べるのは「たすけあって発展していく社会」のつくりかた

つまり、本書がまとめているのは「よりよいチームの作り方」であり、ひいては「互いにたすけあって発展していく方法」だと思います。

これまでは、どこの国も「ライバルを蹴落としてでも、自身にとって最大限の利益を勝ち取る」という競争社会でした。常に人や会社、また国同士で争うので、そこには「勝ち組と負け組」「富裕層と貧困層」が生まれ、2極化が進み社会問題となっています。

しかし一方で、福祉活動やボランティアなどの社会貢献活動が注目されています。「自分らしさ」「やりがい」を重視する会社も増え、「たすけあい社会」への期待はどんどん大きくなってきています。

舘岡先生はこれを「パラダイム・シフト(時代ごとの価値観の転換)」と呼び、これからの社会にはすすんで助けあう、つまり「利他性」の価値観がめちゃくちゃ重要になると述べています。

もちろん、ただ道徳的な観点から「仲良くたすけあいましょうね~」と言っているのではありません。日産自動車が「奇跡の復活」を遂げ、再び日本の大人気自動車メーカーとして成功を収めたように、「たすけあい」の世界で生み出される新たな解決策こそ、これからの時代に欠かせない大切な観点だと言っているのです。

つまり、SHIEN学が教えてくれるものは、ザックリまとめると「たすけあいで、困難を突破していく方法」というわけです。

「SHIEN学」を理解するポイント

さて、ここまではSHIEN学のなりたちと概要について書きました。なんだかすごい学問が立ち上がったな、と感じませんか?

ここからは、SHIEN学の具体的な実践方法について、わかりやすく解説していきます。

それではいきましょう!

「SHIEN」と「支援」の違いについて

まずはここ。いやいや「SHIEN」ってなに? 「支援」じゃないの?って思いますよね(笑)

そうです。SHIEN とは、お察しの通り「支援」がベースになってできた言葉ではありますが、本書では明確に区別されています。

支援に関わる言葉は多様です。手助け、援助、補助という類義語もあります。英語では、support、help、assist、aid といったところでしょう。支援は、これらの言葉と多くの重なりを持っていて、日常的にはあまり区別されずに使われています。

しかし、私が提唱している SHIEN は、互いに助け合うことで重なりのなかったところに重なりをつくり、「してもらう / してあげる」を交換するという、新しい時代の問題解決法のひとつです。

そういうわけで、こうした概念すべてを内包する言葉として、SHIEN、そしてSHIEN学は、従来の支援を区別し、ローマ字表記にすることにしました。

本文より引用

つまり SHIEN とは、互いが助け合うことで力を引き出しあって、問題に対して新たな解決策を見つけようとするスタイルのことです。

重なりのなかったところに重なりをつくる

チームワーク、手

先ほどの引用にもありましたが、本書ではたびたび「重なりのなかったところに重なりをつくる」ことの重要性を説いています。これはどういう意味かというと、わかりやすく言えば「異なる意見や価値観を受け入れる」ということです。

お互いの力を引き出しあおうと思ったら、やはりお互いが歩み寄ることが不可欠です。本書では「シンパシー(同情する)よりもエンパシー(同調し、感情移入する)が大切」と説明されていますが、ようするに相手の気持ちになって考える癖をつけよう、ということです。

例えば、公衆の面前で転んだ人がいたとします。それを見た時、「痛いだろう」と思うのがシンパシーです。一方、「痛いし、恥ずかしいだろうな」と思うのがエンパシーで、相手の気持ちに同調し、さらに能動的に相手の心に入りこんで、その気持ちを想像します。ですから、エンパシーを持って対応するというのは、相手の立ち位置に立って意見を述べることになり、その分人間関係の調整能力が上がります。

本文より引用

自分本位ではなく、相手の気持ちになって考えることができるようになると、その関係性はグッと深くなります。この深い関係性は、次のステップ「してもらう / してあげる の交換」に進むための重要なポイントですから、まずは相手の気持ちになって考えることが大切になるわけです。

「してもらう / してあげる」の交換

相手の気持ちになって考えることによって、相手がなにを望んでいるのか理解できるようになってきたら「僕になにかできることはないか?」を考えて、行動に移してみましょう。「してあげる」ことは、SHIEN のスタートであり、本質です。

けど、これは意外と簡単なんですよね。

実は SHIEN を実践するうえで一番難しいのは「してあげる」とセットになる「してもらう」ことなんです。なぜなら、「してあげる」ことは自分で決められますが、「してもらう」となると相手に動いてもらう必要がありますからね。

では、どうすれば相手の「してもらう」を引き出すことができるのでしょう?

そのポイントは2つあります。1つは「自分の弱みを相手に見せる」ことです。

競争社会に生きていると、どうしても相手を「ライバル」だと認識してしまい、弱点をいかに相手に知られずに倒すか、という思考になってしまいます。しかし、これでは SHIEN は始まりません。

やはり「たすけあって困難を突破する」には、お互いの苦手をカバーできるように、お互いの苦手を把握しておくことが大切なんです。

そしてもう1つのポイントは「よい質問をする」ということです。

上下関係のなかで生きていると、つい「あれをしろ」とか「これをして」と一方的な命令コミュニケーションが増えていきます。しかしこれが「君はどうしたらいいと思う?」という質問に変わると、それが相手の「してあげる」能力を引き出すカギになったり、自身の「してもらう」能力を高めることに繋がるのです。

まずは良い関係を築き、お互いの弱みを認識しあって、さらにお互いの長所を引き出しあう。これができるようになると、次のステップである「第3スペース」が見えてきます。

そして「第3スペース」へ…

ここまで解説したように「重なりのなかったところに重なりをつくり」、お互いの部門で「してもらう / してあげる」が交換できるようになれば、SHIEN がもたらす最大の恩恵を受けることができます。

それは、お互いの力を引き出しあうことで「それまで誰も思いつかなかった解決策が次々と見つかる」という状態。

会議に出席する前には、自分なりの答えを用意してのぞみます。しかし会議ではそれがぶつかります。ぶつかりあって、「ああでもない、こうでもない」とやっていると、「それだっ!」「キタッ!」と、会議前には誰も思いも寄らなかった、しかも誰もが納得する答えが降りてくる瞬間があります。その答えにみんながたどりついた時に、とても大きな快感、一緒につくり上げた、立ち上げたという喜びが生まれます。

本文より引用

この「誰も思いも寄らなかった、しかも誰もが納得する答え」を、SHIEN学では「第3スペース」と呼んでいます。

自分の思い通りの答えが「第1スペース」、そして相手の思い通りの答えが「第2スペース」としたとき、その双方の意見をカバーしながらも、お互いが力を引き出しあうことで導きだされた最適解。これが「第3スペース」というわけですね。

そうなんです。理想的な解決策とは、たった1人の天才のひらめきや、力強いリーダーの揺るがない意志でもない。そこにいる全員が「たすけあう」ことではじめて導きだされる「誰もが納得する答え」なんです。

これが倒産寸前だった日産自動車を立て直し、当時の経済界を激震させた「奇跡」の正体であり、SHIEN学の本質。これからの時代に欠かせない「たすけあいで困難を突破していく」チームワーク・メソッドというわけです。

まとめ「たすけあいへの理解を深めよう」

というわけで、今回は『世界を変えるSHIEN学~力を引き出し合う働き方~』について解説しました!

いかがだったでしょうか。僕は最初、「世界を変える…」というタイトルがちょっと大げさだなぁ~とか思っていたんですけども、この本を読んで、またワークショップにも参加して「これは本当に世界を変えるかもしれない」と感じています。

実は、僕が信仰している天理教でも「たすけあい」の必要性は強く説かれています。

わかるよふ むねのうちより しあんせよ

人たすけたら わがみたすかる

『おふでさき』 3-47

人をたすけたら、自分もたすかる。そのことをちゃんと理解できるまで、心の底から考えよ、という教えですが、このSHIEN学を通して気づいたことは、僕はまだまだこの原理をちゃんと理解できていなかったという反省でした。

恥ずかしい話ですが、僕はこの教えを「人に優しくしていたら、きっと人生いいことがある」くらいにしか思っていなかったんですよね。

けれど、このSHIEN学が教えてくれたように

  • 重なりのなかったところに重なりをつくる
  • 「してもらう / してあげる」を交換する
  • 「第3スペース」を導きだす

そうして導きだされた最適解は、この世のあらゆる問題を解決する「価値のある選択肢」で、倒産寸前の会社ですら立て直すほどの力強さをもった原理なんだと感じました。

はじめに触れたように、今、世界は大きな「パラダイム・シフト(時代ごとの価値観の変換)」のなかにあります。「自分さえよければいい」という価値観はどんどん過去のものになっています。

勝ち組のイスを奪い合う世界から、みんなでたすけあって困難を突破していく世界へ。

僕は今後も、SHIEN学を学んだ人間として、また天理教の信仰者として、まずは身近なところから世界を変えていきたいと思います。

それではまた、次の記事でお会いしましょう!信ちゃん(@shin0329)でした!

追記:SHIENワークショップ体験レポはこちら!

じつは去年、幸運なことにSHIEN学のワークショップに参加する機会があったんですよね!

そのときの感想をこちらのページでまとめていますので、ワークショップに興味のある方はどうぞご覧ください。

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