礼儀正しさで、社会をサバイブしていく方法とは?『Think CIVILITY ~「礼儀正しさ」こそ最強の生存戦略である~』レビュー

礼儀正しさで、社会をサバイブしていく方法とは?『Think CIVILITY ~「礼儀正しさ」こそ最強の生存戦略である~』レビュー

読んでよかった本

こんにちは!『今日も信仰は続く』を見ていただいてありがとうございます。桑原信司(@shin0329)です。

信ちゃん
信ちゃん

気軽に信ちゃん、って覚えてくれたら嬉しいな~!

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突然ですが、あなたは「仕事ができる人」ってどんな人を思い浮かべますか?

やっぱり頭の回転が速い人?それとも手段を選ばない人?

僕にとって仕事ができる人は「抑えるべきところはキチンと抑えている人」というイメージです。ムダのない動きというか、ムダのない働き方みたいな。

なかでも「礼儀正しさ」は、相手からの信頼を得たり、さまざまな人と滑らかなコミュニケーションをとるために、社会人として必須のスキルといっても過言ではありません。

なので今日は、学校では教えてくれない「礼儀の大切さ」について、クリスティーン・ポラス著『Think CIVILITY ~「礼儀正しさ」こそ最強の生存戦略である~』の内容からわかりやすく解説していきます!

それではいきましょう!

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『Think CIVILITY ~「礼儀正しさ」こそ最強の生存戦略である~』

著者について

著者のクリスティーン・ポラス先生は、ジョージタウン大学マクドノー・スクール・オブ・ビジネスの准教授。MBA(経営修学士)で、主に「職場の無礼さ」について研究されています。

「礼節」について講演やコンサルティングもされていて、なんとあのGoogleやピクサーなどの大企業をはじめ、国際連合や世界銀行、さらにはアメリカの労働省、財務省、司法省などにも呼ばれるすごい人。

この本のあらすじ

そんなポラス先生が書かれたこの『Think CIVILITY ~「礼儀正しさ」こそ最強の生存戦略である~』は、とにかくその切り口が斬新で。

よくある「礼儀正しく生きることは大切なことです…」みたいな文脈ではなく、むしろ「無礼がどれほどクソなのか?」という話を、膨大な研究データをもとにバッサバッサと切り伏せていくという、切れ味抜群な内容です。笑

(もちろん後半には「礼儀正しさ」を獲得するためのプロセスが丁寧に描かれています)

読み終えたころには「礼儀正しさ」がそのまま自分の武器に変わるような、超実践的な本書。礼儀正しさについて学びたい人はもちろん、礼儀正しさなんて…と思っている人もぜひ読んでみてほしい一冊です。

「無礼」な人には、コストがかかる

まず僕が面白いなと思ったのは、無礼であることのデメリットを「コストがかかる」と表現されていること。

信ちゃん
信ちゃん

なんともアメリカ的…!

アメリカ心理学会(APA)の試算によれば、職場のストレスによってアメリカ経済にかかるコストは1年に5000億ドルにものぼるという。なんと仕事上のストレスが原因で毎年5500億日もの就業日が奪われ、職場で発生する事故の60~80%はストレスが原因で、アメリカ人の通院の約80%以上がストレスに関係しているとも言われる。

『Think CIVILITY ~「礼儀正しさ」こそ最強の生存戦略である~』より引用

ちなみに5000億ドルは、日本円にすれば約53億円。おそろしい数字ですね…!

さらに、ポラス先生は17の業種の、約800人もの管理職、従業員を対象に調査を行います。その結果、職場で無礼な態度を取られてストレスを感じている人には次のような特徴がありました。

礼儀のない職場でストレスを感じている人は…
  • 48%の人が「仕事にかける労力を意図的に減らしている」
  • 47%の人が「仕事にかける時間を意図的に減らしている」

約半数の人が、上司に無礼な態度を取られたことによって、仕事の労力や時間を意図的に減らしているということですね。

これはなんとなくわかります。職場に失礼な上司がいたらサッサと帰りたくなりますもんね!笑

他にもまだまだあります。

礼儀のない職場でストレスを感じている人は…
  • 80%の人が「無礼な態度を気に病んでしまい、そのせいで仕事に使うべき時間を奪われている」
  • 66%の人が「自分の業績は低下している」と答えている
  • 12%の人が「他人の無礼な態度が原因で転職をした経験がある」と答えている

無礼な上司によるパワハラで、多くの人が落ち込んで仕事ができなかったり、業績が下がってしまっていると感じていて、なかには実際に転職する人もこれだけ存在するという結果が。

ストレスは目に見えないから…

これらのデータに関してポラス先生は、「目に見えない」という点に注意しなければならないと言います。

なぜなら、これは無礼な態度を取られた人の「心の動き」であり、その多くは誰にも気づかれないままじわじわと職場に悪影響を与えていくからです。

無礼な人が職場にいると、貴重な時間が奪われる上に、甚大なコストもかかってしまうという事実は、これらのデータをもとにしっかりと認識しておかなければいけませんね。

「無礼じゃない=礼儀正しい」は勘違い!

「無礼であること」がこれだけコストがかかることは、これまでに解説してきたとおりですが、よくある勘違いとして「無礼でないこと=礼儀正しい」ではないと、ポラス先生は釘を刺します。

しかし、実際には無礼でないだけでは、ただ中立的なふるまいをしているだけにすぎない。ただ誰も傷つけてはいないというだけだ。礼節ある人と見なされるためにはそれ以上のことが必要だ。他人を尊重し、また品位を感じさせる丁寧で親切な態度で、周囲の人たちの気分を良くしなくてはいけない。

『Think CIVILITY ~「礼儀正しさ」こそ最強の生存戦略である~』より引用

僕もどちらかと言えば、この「失礼ではないけど、礼儀正しくもない」層の人間だったと思います。

しかしそもそも、なぜ本書でこれほど「礼儀正しさ」が奨励されているのでしょうか?

その答えは「礼儀正しさには、生きていくうえで圧倒的なメリットがあるから」です。

礼儀正しさ、の圧倒的なメリット

たとえば、本書に書かれている「礼儀正しさ」がもたらすメリットについて、「個人」だと、

礼儀正しさのメリット(個人)
  • そもそも声がかかりやすいので、得られる仕事が他者より多い
  • ソーシャルメディアが発達した現代では、より幅広い人脈が築ける
  • それらによって、出世のチャンスが劇的に増える

などのメリットがあります。また、礼儀正しいリーダーを採用した「組織」にとっては、

礼儀正しさのメリット(組織編)
  • 従業員が安心し、長期的に働くことができる
  • 職場に自主的なたすけあいの雰囲気が生まれ、高い業績をあげることができる

という素晴らしいメリットがあることが、データによって証明されているのです。

他にも、グーグル社が行った調査では「組織のパフォーマンスを決める要素は個々人の能力ではなく、メンバー同士の心理的安全性や信頼関係といったチームワークである」という結果も出ています。

「たすけあい」がビジネスの場において大きな成果を生み出すのは、あの日産自動車を救った舘岡康雄先生の著書『世界を変えるSHIEN学~力を引き出しあう働き方~』にも書かれていましたね。

厳しいトップダウンの組織運営でしか仕事を進められない個人や企業にとっては、厳しい時代になってきたと言えるでしょう。

「礼儀正しさ」を身につけよう

では、無礼でもなければ、ただの中立でもない、本当の「礼儀正しさ」は、どうすれば身につくものなのでしょう?

本書で解説されている「礼儀正しさ」を身につけるプロセスは、

  • 笑顔を絶やさないこと
  • 相手を尊重すること
  • 人の話に耳を傾けること

の3つの基本動作が原則になるそうです。

1.礼節とは、笑顔を絶やさないこと

常に笑顔を絶やさずにいる人は、周囲の人をリラックスさせることができます。それにより、相手の能力を引き出す環境を作ることができるのです。

もちろん、常に笑顔を絶やさずにいることは、簡単なことではありません。笑えない日々もきっとあるでしょう。

しかしポラス先生は、そんなときは「インサイド・アプローチ」をしましょう、と提案してくれます。

インサイド・アプローチ」とは、外からの刺激によって笑顔になるのではなく、外からの刺激に頼らずに、心に明るさを見いだすアクションのこと。

信ちゃん
信ちゃん

ようするに「笑う門には福来る」ですね!笑

2.礼節とは、相手を尊重すること

次に挙げているのは、相手を尊重すること。とくに会社においては上司はもちろん、部下にも同じだけの尊重の意志を示さなければならない、とポラス先生は言います。

上層部が自分たちの幸福に関心を向けてくれているなと感じれば社員はやる気を出すし、そうでなければあまり熱心に仕事に取り組まなくなる。そして調査の対象となった社員のうち、熱心に仕事に取り組む気持ちでいる人は40%に満たないことがわかった。

『Think CIVILITY ~「礼儀正しさ」こそ最強の生存戦略である~』より引用

もしあなたが部下の幸せについて関心が無いのだとしたら、すでに半数以上の部下がやる気を削がれている状態だということですね。

部下の幸せについて関心を寄せること、それも真の「礼儀正しさ」を身につける基本動作のひとつです。

3.礼節とは、人の話に耳を傾けること

「礼儀正しさ」を身につける基本動作の最後は「人の話に耳を傾けること」。他人と会話するとき、自分がどういう態度をとっているのか、よく確かめてみることが大切だそうです。

それはただ「受け身でいる」ということではなく、相手の心理状態を見極めて能動的に関わる技術のことです。

具体的には「話す:聞く」の割合が「2:1」であることをキープすれば良いそうで。

(少しこちらが話しすぎたかな…?)と感じるときは、積極的に「あなたはどう思いますか?」と投げかけてみましょう。

まとめ

というわけで、『Think CIVILITY ~「礼儀正しさ」こそ最強の生存戦略である~』に書かれていた「社会を礼儀正しさでサバイブする方法」ついて解説しました!

「無礼であること」のダメっぷりと、「礼儀正しくあること」ことがいかにコスパのいい生存戦略なのかということが、身に染みてわかりました。笑

最後に、ポラス先生のあとがきが、個人的にとても勇気をもらえる文章だったのでご紹介しましょう。

あなたは今日あった人にどういう態度をとっただろうか。もしかしてあなたが当たり前だと思っている態度はすでに時代遅れかもしれない。あなたは周囲の人たちを元気づけているだろうか、それとも意気消沈させているだろうか。それをよく考えてみよう。

自分をどういう人間にするか、私たちはそれを自分で選ぶことができる。良くなろうと決意することはいつでもできる。

あなたは果たしてどういう人間になりたいだろうか。

『Think CIVILITY ~「礼儀正しさ」こそ最強の生存戦略である~』より引用

僕はまわりの人が「なるほど、やっぱり神様を信じて敬っている人は違うな」とうなづくような、礼儀正しく思いやりのある宗教家になりたいですね。

それではまた、次の記事でお会いしましょう。信ちゃん(@shin0329)でした!

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