情報化社会の本質は「リンク・フラット・シェア」。糸井重里『インターネット的』から読み解く、これからの「ギブ&テイク」

情報化社会の本質は「リンク・フラット・シェア」。糸井重里『インターネット的』から読み解く、これからの生き方とは?

読んでよかった本

繋がって、平等に、分かち合う社会へ。

こんにちは!『今日も信仰は続く』を見ていただいてありがとうございます。桑原信司(@shin0329)です。

信ちゃん
信ちゃん

気軽に信ちゃん、って覚えてくれたら嬉しいな~!

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SNSがグッと身近な存在になったり、あらゆるモノがインターネットに接続するようになった現代。「情報化社会」とはよく言いますが、この新しい社会のあり方と、僕たちはどう向き合えばいいのでしょうか?

その答えは糸井重里さんの名著『インターネット的』にありました。

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糸井重里『インターネット的』

2001年に発売された「予言の書」

今回ご紹介する、糸井重里さんが書かれた『インターネット的』(PHP文庫)は、なんと2001年に書かれたものを加筆して2014年に文庫化された一冊

あの『ほぼ日』で有名な糸井さんが、これからの情報化社会の「未来予想図」として書かれた本書ですが、情報化が進んだ現代のインターネット社会の本質をかなり深くとらえており、ネットで「予言の書」とまで評された名著です。

インターネットは魔法や奇跡じゃなく、ただの「すごく便利な道具」で、それによって人が根っこからガラリと変わったりはしない。けれど、このすごく便利な道具を人々は生活のなかに取り入れていくに決まっている。そしておそらく、こんなふうにして、人はインターネットとつき合っていくんじゃないか……。

十年前、『インターネット的』に僕が書いたのは、要するにそういうことだったと思います。

糸井重里『インターネット的』より

僕もこの本を手に取ったきっかけは『どこでも誰とでも働ける』で有名な尾原和啓さんも絶賛していたから。情報化社会に「生きづらさ」を感じている人はぜひ読んでみてください。

情報化社会の本質は「リンク・フラット・シェア」

インターネット的』では「インターネットの本質」についてこのように説かれています。

インターネットは、「伝える仕組み」です。いわば、人間の生み出す情報という「料理」をすばやくどこにでも届ける「お皿」です。ほんとうは、一番面白いのは、お皿に何をのせるかということのはずです。

糸井重里『インターネット的』より

つまりこの本で糸井さんが主張しているのは、「インターネット」は私たちの暮らしを本質的に変えてしまうような発明ではなく、ただの「最高に便利なお皿」でしかないんだということ。

ですから、あくまでこだわるべきなのはお皿に乗せる「情報」なのです。ここの調理に失敗したり、提供するタイミングを間違えることのないようにするために意識しておきたいキーワードとして「リンク・フラット・シェア」があります。

情報社会は「リンク」している

インターネットが普及するまでは、「問い」に対して明確な「答え」を用意するためには「専門性」が不可欠でした。

しかし現在では「問い」に対する「答え」はもちろん、ご丁寧に「関連情報」も相互にリンクしていて、いつでも・どこでも・誰にでも情報を取得することができるようになりました。

どんな些細な情報でも、ひとたびインターネットのお皿に乗せれば、想像をはるかに超えた「有機的な繋がり(リンク)」を獲得することができるということです。

これはインターネットが社会にもたらした変化のなかでも、もっとも革命的な部分だといえますね。

情報社会は「フラット」である

情報の橋渡し役が「専門性を持っている人」から「インターネット」に変わったことによって、情報そのものの価値が大きくなりました。

つまり「誰が言ったのか」よりも「どんな意見があるのか」のほうが重視される世界になってきたということです。

たとえば僕の場合は、こうしてブログを通じて「信仰のある暮らし」を伝えていますが、ひと昔前なら「そんなのは本部の偉い人がすること」「君のような若造が」などと一蹴されていたかもしれません。

ところがインターネットでは、そういった発信者の属性に関しては、みんなが平等(フラット)なんです。

現代社会がどんどん「多様化」に傾倒しているのも、このフラットな世界観の影響を大きく受けているからですね。

信ちゃん
信ちゃん

ある意味「下剋上」だし、世はまさに「情報戦国時代」と言えるのかもしれません!笑

情報社会では「シェア」する人が勝つ

インターネットが普及するまでは、知識やノウハウは「独占」してしまうほうがコスパが良かったんです。いわゆる「ここだけの話」を持っているだけで、相手に対して圧倒的に優位なポジションを獲得できたからですね。

しかし、リンク・フラットがベースになっている現代では、たいていのことはネットで検索すれば調べることができます。

僕のように個人で発信している人も増えていますから、今後もますます「調べたらわかる情報」は範囲を広げていくでしょう。

つまり、自分が持っている情報は「すでに誰かが発信している可能性が高い」ということを知っておかないといけないのです。

そこを理解している人がどんどん実践しているのが「シェア」、つまり情報のおすそ分けですね。勘のいい人は、インターネットを使ってシェアを繰り返し、多くのリンクを獲得しつつ周囲の人からの「信用」を着実に集めています。

この「信用」という指標は、これからの時代にとても重要になります。生産現場から、市場へとイニシアティブ(主導権)が移り変わっていくからですね。最近のビジネス書などで「信用を稼げ」と繰り返されるのは、そういう背景があるのだと思います。

Only is not lonely.

インターネットはもはや現代人にとって欠かせないライフラインになっています。テレワークなどもずいぶんと浸透しましたし、暮らしのなかでも「インターネットと接続している時間が長くなった」と感じる人も多いのではないでしょうか?

しかし、まだどこかで「孤独感」を感じている人もいます。けど、糸井さんは本書でこのように語っています。

人間にとって「孤独」は、前提なのです。「ひとりぼっち」は、当たり前の人間の姿です。(中略)それでも、「ひとりぼっち」と「ひとりぼっち」が、リンクすることができるし、ときには共振し、ときには矛盾し、ときには協力しあうことはこれもまた当たり前のことのようにできます。

つながりすぎないで、「ひとりぼっち」なんだけれど、それは否定的な「ひとりぼっち」ではない。孤独なんだけれど、孤独ではない。

糸井重里『インターネット的』より

このさき、どんな時代になっていったとしても、人間にとって「孤独」は常につきまとうもの。しかしそれは、もうつらく苦しい孤独ではありません。

インターネット的』に言うと、孤独なんだけれど孤独ではない。「リンク・フラット・シェア」が可能なこの情報化社会においては、Only is not lonely、つまり物質的には「ひとりぼっち」であっても、精神的にはそうではないのです。

まとめ

というわけで、糸井重里さんの『インターネット的』に描かれた情報社会の本質と、そんな現代をうまくサバイブしていくためのキーワード「リンク・フラット・シェア」について解説しました!

この本を読んだ僕の結論は「バンバンおすそ分けしていこう!」です。

もったいぶって情報を独り占めしていても、すでにネットに転がっていたのなら、その情報自体の価値はどんどん薄まっていきますからね。だからこそ情報をどんどんシェアしていって、「信用」という新しい価値を取りに行こうかなと。

そしてこの「信用」は、市場にイニシアティブが移っていくこれからの時代において、かなり強力な武器になります。続々と新しい情報が入ってきますし、顧客が自然と集まってきますからね。

これからもシェアを繰り返して、たくさんのリンクと信用を積み上げていきたいと思います。

それではまた、次の記事でお会いしましょう。信ちゃん(@shin0329)でした!

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