この世界をまわりまわって、暮らしを彩る「はたらき」|天理教の「働き」について、わかりやすく。

この世界をまわりまわって、暮らしを彩る「はたらき」|天理教の「働き」について、わかりやすく。

今日も信仰は続く

僕のした単純作業が、この世界を回りまわって…

こんにちは!『今日も信仰は続く』を見ていただいてありがとうございます。桑原信司(@shin0329)です。

信ちゃん
信ちゃん

気軽に信ちゃん、って覚えてくれたら嬉しいな~!

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先日、こんな素敵なtweetを見かけました。

この方はコントラバスという大きな楽器の奏者で、新幹線に乗るときは座席に置いておけないため、いつもドアに立てかけているのだそうです。

ただ新幹線のドアって、駅によって開く方向が違うんですよね。なのでこちらの男性も、コントラバスを立てかけた方向のドアが開かないか、いつも不安だったそうですが…

それを見た車掌さんが、メモ用紙に停車駅とドアが開く方向を書いて渡してくれて感動した、という体験談です。

このtweetは、20万人以上のユーザーに「いいね」され、話題になりました。「心温まるいい話ですね」「これがプロか」など、コメントもたくさん寄せられています。僕も思わずコメント付きでリツイートしました。

ほんとうの「働き」って、こういうことか!という発見が嬉しかったからです。

というわけで、今日は僕が信仰している天理教でも大切だと説かれている「働き」について、わかりやすく解説していきますね。

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「働き」は、人生における宝

天理教の「信仰のある暮らし」では、「朝起き正直・働き」の3つを宝物のように大切にしなさいと教えがあります。

今回取り上げる「働き」以外のふたつは、別の記事でも解説していますので、気になる方はそちらをどうぞ。

今回の「働き」については、『稿本天理教教祖伝』という書物にこのようなエピソードがあります。

「働くというのは、はたはたの者を楽にするから、はたらく(註、 側楽・ハタラク)と言うのや。」


稿本天理教教祖伝逸話篇 九七 働く手は

「はたはた」という言葉は現代ではあまり使われなくなった言葉で、漢字にすれば「傍々」となります。

傍(はた)とは周囲の人、という意味で「はたから見れば」とか「はた迷惑」などと言ったりしますね。

天理教の教祖であるおやさまは、この「傍々」、つまり、側にいる人たちを「楽」にさせてあげられる行為全般を「はたらく」だと教えてくださいました。

「労働」は神から与えられた罰?

この「働き」と似ている言葉に「労働」という概念がありますよね。収入を得るために人や会社に貢献することです。

労働【ろう―どう】

①ほねおりはたらくこと。体力を使用してはたらくこと

②人間が自然に働きかけて生活手段や生産手段をつくり出す活動。労働力の具体的発現。

広辞苑 第六版

どちらも同じような意味合いで使われますが、実はこの「労働」も、宗教がらみの言葉で、なんと本来は「神から与えられた罰」という意味だったそうです。

例えばギリシャ神話では、プロメテウスが人類に「火」を与えたことに怒ったゼウスが人間に与えた罰が「労働」だとされていたり、

キリスト教では、アダムとイブが「善悪を知る木の実」を食べてしまった「原罪」に対して、男性に与えられたのが「労働の苦しみ」でした。

(ちなみに女性に与えられた罰は「産みの苦しみ」)

「労働」は罰であり、しないと生きていけないもの。「働かざる者食うべからず」とはよく言いますが、 これはキリストの弟子パウロの「働こうとしない者は、食べることもしてはならない」 という言葉に由来しているという説もあります。

「働き」と「労働」はぜんぜん違う!

ここでもう一度、最初のtweetに振り返って、照らし合わせてみましょう。

新幹線の車掌が、乗客の案内をするのは「労働」ですよね。これに対して乗客は切符として料金を支払い、車掌にはその売り上げの中から「給料」が支払われます。車掌はこの収入がなくては生活ができませんから。

ところが上のtweetに登場する車掌さんは、コントラバスの置き場に困っている乗客に対して、どちらのドアが開くのかをメモに書いて渡しました。それは心優しい行動ではありますが、それによって「料金」が発生するような業務ではありません。

けど、確実に「側にいる人が楽になるようなこと」をされました。これこそ、天理教の教祖であるおやさまが教えてくださった「はたらき」ですよね。

「働き」で暮らしを彩る

日本では2016年に「働き方改革」が提唱され、一億総活躍社会の実現に向けてさまざまな取り組みがはじまりました。

「新卒採用・終身雇用」「サービス残業」といったこれまでの「働き方」に国がメスを入れ、労働市場に参加できなかった子育て世代のお母さんや高齢者も働ける社会になりつつあります。

それはつまり「働く」人も増えるということ。日本は世界の主要国のなかでも労働生産性の低い国ですから、政府としては「労働力」を増やしていきたいのでしょう。

けど、実際に働くことになる僕たちが、「働き方改革」によって増えていく「労働」のなかでも、側にいる人に楽をさせてあげられるような「働きの心」を大切にして、明日も誰かの笑顔を作っていけたら、この国はもっと豊かになると思います。

僕のした単純作業が この世界を回り回って
まだ出会ったこともない人の笑い声を作ってゆく
そんな些細な生き甲斐が 日常に彩りを加える
モノクロの僕の毎日に 少ないけど 赤 黄色 緑


Mr.Children「彩り」 /  作詞・作曲:桜井和寿

僕の大好きなMr.childrenの「彩り」という曲です。

なんてことのない、誰にでもできるような仕事だって、その先には喜んでくれる『人』が、笑顔が待っているはず。新幹線の車掌さんも、まさか自分が渡したメモで20万人以上の人が笑顔になるとは思いもしなかったでしょうね。

僕はこの先何人の笑顔を作れるでしょうか。これからも精一杯、周りの人の笑顔を作る「働き」の心で、彩り豊かな暮らしをおくりたいと思います。

それではまた、次の記事でお会いしましょう。信ちゃん(@shin0329)でした!

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